京都に東本願寺と西本願寺があるように、東京にも西新井大師と対となる東新井大師という寺院がどこかに存在していると漠然と思っていたけれど、よくよく考えてみたら東新井大師などどいう名称は生まれてこの方、一度も耳にしたことがない。それもそのはず、東新井大師などという寺院はおろか、西新井という地名と対になる東新井という地名も存在しない。東京都足立区西新井の東隣は栗原という地名だ。
そもそも総持寺という名称の寺院が西新井大師と呼ばれるようになったのは、弘法大師が加持祈祷をした際に水が湧き出てできたという井戸が本堂の西側にあるからである。新井という地名の西側にあるのではなく、本堂の西に霊験あらたかな井戸があることが西新井の語源なのだ。これでは西新井と対になるような東新井という名称が存在しないのも仕方がない。
この日は風が強かった。本堂の軒先に掛けられた仏旗が水平になびいてしまうくらい強かった。それでも音を立てながら風になびく仏旗に興味を惹かれる人はいない。何事もなかったかのように本堂を出入りする人ばかりで、立ち止まって阿呆面しながら上を見上げているのは僕だけだった。
2023年12月 町角 東京 | |
旗 西新井 柱 寺院 |
No
12547
撮影年月
2023年5月
投稿日
2023年12月20日
更新日
2023年12月21日
撮影場所
西新井 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF