神保町付近には多くの書店が軒を連ねている。一説によると、150くらいの書店が営業していて、ここ神保町は世界最大の書店街なのだそうだ。この町には新刊本を扱う三省堂書店や書泉グランデ、東京堂書店もあるけれど、やはりこの町を特徴付けているのは数多ある古本屋だろう。
古本屋の店頭には、大抵の場合、ワゴンが出ていて安い古本が並べられている。どのような本が売られているのかは、顔を近づけて黄ばんだ本とにらめっこしないと分からない。タイトル順に並んでいるわけでもなく、作家順に並んでいるわけでもない。適当に並べられているように思える本の背表紙を流れるように見ていく。すると、ときには読んでみようと思っていた本を見つけることもある。嬉しくなる。まさにセレンディピティ。
偶然に思いがけない本に出会う。この瞬間が楽しくて、リアルの書店に足を運んでしまう。ネット書店でも本を買うけれど、そのような偶然に思いがけない本に出会えたことはほとんどない。おそらくアマゾンなんて、リコメンデーション機能にかなりの金額を投じているのだろうけれど、アマゾンからおすすめされた本にセレンディピティを感じたことはない。ネットの書店がどんなに隆盛を極めても、セレンディピティな経験を利用者に提供できない限り、リアルの書店がなくならないと信じたい。
2021年5月 町角 東京 | |
本 本屋 ガラス窓 神保町 反射 |
No
11903
撮影年月
2020年6月
投稿日
2021年05月11日
更新日
2023年08月22日
撮影場所
神保町 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF