九品仏駅を出ると、真っ直ぐ伸びる参道に目を奪われる。入り口には、白い羊羹を立てたかのような太い石柱が立っていて、浄真寺参道と書かれている。ここは、通称「九品仏」と呼ばれる浄真寺の参道だ。浅草寺のように観光地化されてはいないが、見応えのある仏教寺院だ。なにせ観光地化されていないため空いている。そんな浄真寺に、この日僕は寄るつもりはなかった。しかし、九品仏駅にやって来た僕は思わず境内に向かって参道を進んでいった。
参道は、山門を抜けてまっすぐ本堂に続いているかのように見えるが、実際は違う。本堂はおろか山門にたどり着く前に曲がる必要があるのだ。何故、神社や仏教寺院は、時折思わせぶりな案内をするのだろうか。目的地に直接向かわず、わざと回り道を強いられているように感じてしまうこともしばしばある。そう思ってしまうのは、僕が近代的な合理性に染まりきっているからなのだろうか。普段の行動を振り返ると、とてもそうは思えないけれど。
2023年3月 町角 東京 | |
参道 並木道 奥沢 松 寺院 |
No
12470
撮影年月
2023年1月
投稿日
2023年03月30日
更新日
2024年01月17日
撮影場所
奥沢 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 1.8/85