かつて佐倉は軍都だったと聞いても、駅前を歩いても、旧堀田邸を訪れても、武家屋敷を覗いても、その名残を感じることはできない。今でも海上自衛隊の基地のある横須賀のように、街を歩いても自衛隊の隊員を見かけることもない。知らなければ、千葉県佐倉市に日本帝国陸軍の軍隊が駐屯していた歴史に気が付かないだろう。佐倉は明治初期に日本最初の歩兵連隊が設置された14都市のひとつ。しかし、気がつけば軍隊はどこかに消え去り、何食わぬ顔で文化都市の香りを漂わせている。
このような変わり身ができた理由は複数あるだろうけれど、軍隊の駐屯地の跡地の利用方法が大きな役割を果たしている。かつて歩兵連隊が駐屯していた佐倉城址には、今では巨大な国立歴史民俗博物館が建っているのだ。歴史、民俗学、考古学を総合的に研究・展示するこの博物館が、軍都だった痕跡を覆い隠しているに違いない。そう思いながら、博物館の前までやって来たが、旧堀田邸や武家屋敷を訪れた後だったので、もう夕刻だった。博物館の展示は充実していて、見て回るのに2時間はゆうにかかるという。僕は近い内にまた佐倉を訪れることにして、京成佐倉駅から電車に乗って帰路についたのだった。
2023年4月 千葉 町角 | |
プラットホーム 佐倉 女子学生 駅 |
No
12481
撮影年月
2023年1月
投稿日
2023年04月20日
更新日
2023年08月08日
撮影場所
佐倉 / 千葉
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF