品川から京急線で横浜方面に向かうと、急行電車が次に停車するのは青物横丁駅だ。京急本線の駅の中で存在感は薄いものの、その名前は個性的だ。個人的には梅屋敷駅と同じくらいに個性的だと思っている。なにせ横丁だ。鉄のレール上を走る電車の駅なのに横丁。大きな駅ではないけれど、横丁というほど質素でもない。実態とその名前が乖離しているように思うのは僕だけではないだろう。
その上、駅周辺を探しても青物横丁という地名はない。それもそのはず、青物横丁は地名ではなく俗称だ。江戸時代には青物横丁駅のあたりに青物を扱う市が立っていたのだという。青物とは野菜や山菜のこと。つまり八百屋が軒を並べていた横丁があり、その通りを青物横丁と呼んだのだ。
品川や大井、大森、蒲田辺りで収穫された野菜を農家の人が自力で運んできて商売をしていた青物横丁はたいそう賑わっていたようだ。今となっては駅名の由来となった青物横丁の名残はどこにも見当たらない。その代わり駅前にある大きなスーパーマーケットはたいそう賑わっていた。
2021年9月 町角 東京 | |
人影 プラットホーム 品川 階段 駅 |
No
12044
撮影年月
2021年3月
投稿日
2021年09月29日
更新日
2023年08月17日
撮影場所
品川 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III