しばらくの間、眼下に伸びる通路を眺めて、僕は移動することにした。廊下は閑散としていた。店舗用の部屋が幾つも並んでいるものの、ほとんどに店舗が入っていない。この場所は商売をするにはあまり向いていないようだ。市場の中の動線から外れてしまっているからに違いない。
市場の中で最も人が訪れるのは生鮮食品を売っている場所だろう。毎日やってくる人だっているに違いない。でも、その人気の場所はこの建物の外だ。つまるところ、日用品の買い物に訪れた人にとっては、階段を上がって2階にやってくる理由が全く無いのだ。それでは閑散としてしまうのも仕方がない。人びとの動線と全くもって繋がっていないのだ。
この時、廊下をいたのは僕だけだった。正確に言うと、人間は僕だけだ。僕以外にも一匹の犬がいて、廊下の端で昼寝していた。幸か不幸か、ここは閑散としている。そのため大っぴらに昼寝をしていても、快眠を誰にも邪魔されることはないのに違いない。
No
11026
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年05月25日
撮影場所
タニン / ミャンマー
ジャンル
動物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA