階段を下りて再び1階の廊下を歩いていた。1階の廊下には溢れんばかりに商品が並べられている。けれど買い物客の姿はほとんどない。のどかは空気が周辺に漂っている。働いている人たちも暇そうだ。ヤンゴンにあるボージョー・アウン・サン・マーケットなどとは違い、ここでは客引きをするような人もいない。客が来るのを静かに待っているだけだ。
そうこうしているうちに、廊下の向こうから人影が歩いてくるのが見えた。幸か不幸か、その人影も買い物客のものではなかった。袈裟を纏った僧侶だった。年配の僧侶は洋服店の前に立ち止まっている。誰かが出てくるのを待っているようだ。そのうちに中から店員が出てきて、僧侶に何かを手渡していた。僧侶が普段着を市場に買いに来たとは考えづらい。そもそも僧侶に普段着というものがあるのかどうかもよくわからない。
いずれにしても、僧侶は買い物をしに来たのではなく、施しを受けるために来たのだ。受け取ったのはなにがしかの施しに違いない。ミャンマーの人の大多数は仏教徒だ。町を歩いていると、僧侶の姿を見かけるのは珍しいことではない。生産活動を行わない僧侶たちは、喜捨を受けて日々の生活を営んでいるのだ。
2019年5月 ミャンマー 人びと | |
廊下 商品 市場 僧侶 タニン |
No
11027
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年05月26日
更新日
2020年01月12日
撮影場所
タニン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA