運河の水面は穏やかだった。バンコクには多くの運河が掘られている。かつては地元の人が運河を行き来し、物資を運ぶのに使われたのだけれど、それは昔の話。時は流れて、物資を運ぶのに昔ながらの船を使うことはあまりない。皆陸上輸送に取って代わられてしまった。運河に架かる橋の上に立っていても、そのような船を見掛けることはほとんどない。たまに通りかかる船も観光客を載せた船ばかりだ。
この時も運河に架かる橋の上に立ち止まって景色を眺めていた。運河の脇には細長いボートが係留されているのが見える。でも、周囲には人の姿はなく、ボートは静かに停泊しているだけだった。向こうの方には仏教寺院が建っている。仏教寺院といっても、日本のお寺とはかなり外観が異なる。何層にも重なった屋根が空に向かって聳えていた。住宅街の中で周囲に高い建物がないため、寺院は辺りを睥睨しているかのようだ。そして、寺院の姿は穏やかな運河の水面に映り込んでいた。
2018年6月 町角 タイ | |
バンコク 青空 ボート 雲 寺院 水路 |
No
10597
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年06月08日
更新日
2024年02月13日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA