プラトゥナーム桟橋から水上バスに乗った。この水上バスの路線はバンコク市内を今でも走っている唯一の路線だ。乗客が乗り込むと、すぐさま水上バスはセンセープ運河を進んでいく。運河は地上の渋滞とは無縁で、水飛沫を上げながら快調に進んでいく。ぼんやりと移りゆく光景を眺めていると、車掌がやって来て料金を回収する。車掌は揺れる船の上を動き回って料金を手で集めていた。水上バスに乗るのが初めてだった僕にはどれもこれも新鮮だった。
僕の前には女性が乗っていた。女性は取っ手をしっかりと握っている。一見すると、揺れる水上バスでバランスを保つためのもので、電車の吊革と同じものに見える。でも、これは揺れに対応するためのものではない。取っ手から伸びた紐はビニールのカーテンに繋がっていて、引っ張るとカーテンが上がるようになっているのだ。女性は揺れるからつかまっているのではなく、水飛沫が水上バスの中に入ってこないように、適宜ビニールのカーテンを引っ張り上げる役目を担っているのだった。
お上りさん気分で周囲を観察しているうちに、あっという間に目的地に辿り着いた。王宮エリアとサイアム・スクエアの辺りを行き来するには、水上バスがなんとも便利なことに今更ながらに思い知った。
2018年8月 人びと タイ | |
バンコク バス 乗客 水路 |
No
10698
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年08月19日
更新日
2023年08月09日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA