橋を使って瞬く間に渡ってしまうよりも、渡船で海上をいった方が絶対に味わい深いと思っていたのにもかかわらず、僕の乗ったバスは橋を渡っていた。橋の向こうに海が見える。渡船乗り場に最寄りのバス停はもう過ぎていた。手遅れだった。痛恨のミスだけれど、帰りに渡船に乗ればいいやと思っているうちにバスは終点にたどり着いた。三浦半島の南端にある城ヶ島はウェットスーツを着た人が闊歩している南国風のところだった。
僕は城ヶ島にダイビングをしにきたわけではない。いつもの通り、散歩しようと思ってきただけ。そのためバス停付近をウェットスーツで徘徊している人たちを横目に僕は歩き出す。まずは城ヶ崎灯台を目指すものの、ここは中に入れなかった。周囲には海水浴客がチラホラ見えるだけで、最盛期の賑わいは残っていない。道なりに坂道を登っていくと、いつの間にかハイキングコースを歩いていた。せっかく海の近くを歩いているのに、ハイキングコースの両脇には草が生い茂っていて海は見えたり、見えなかったりする。まるで立体迷路のような小径を進んでいるときに、確実に見えるのは青い空とそこに浮かぶ白い雲だけだった。
2024年4月 町角 神奈川 | |
青空 雲 三浦 傘 |
No
12581
撮影年月
2023年8月
投稿日
2024年04月17日
撮影場所
三浦 / 神奈川
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF