イスラム教徒の女性は髪を隠すのがマナーというか宗教上の嗜みになっている。外を出歩くときにはヒジャブやチャドル、ブルカ、アバヤなどで髪の毛もしくは顔全体を隠すのだ。ムスリムが多数を占めるここインドネシアでも町で見かける女性のほとんどはヒジャブやチャドルで髪の毛を隠していた。
このようなイスラム教の服装規定は、実は聖典であるコーランに記載されているものではない。髪の毛を隠すとか、顔を隠すだとか具体的な事柄は記載されていない。
「慎み深く目を下げて、陰部は大事に守っておき、外部に出ている部分は仕方がないが、その他の美しい所は人見せぬよう。胸には蔽いを被せるよう。」
このように曖昧に書かれているに過ぎない。この文言の解釈によって顔を隠さねばならないとか髪の毛を隠さねばならないと解釈されているのだ。「外部に出ている部分は仕方がない」という箇所から顔も隠せるなら隠すし、「美しい所は人に見せぬよう」という箇所から髪の毛を隠すということになるというわけだ。預言者ムハマンドの生きていた時代から女性の髪の毛は美しいものと認識されていたのだ。
チルボンにあるカノマン市場で見かけた女性もやはりヒジャブで髪の毛を隠していた。女性のヒジャブは着ているベージュ色の服に合わせた鮮やかな山吹色をしていた。ヒジャブやチャドルは黒いものを用いている人が多いけれど、この女性のように美しくコーディネートしている人もいる。でも、あまりにも美しく着飾ってしまうと「美しい所は人見せぬよう」というコーランの記載に抵触する気がしてしまう。
2021年1月 インドネシア 人びと | |
チルボン ヒジャブ 市場 色鮮やか 女性 |
No
11789
撮影年月
2020年1月
投稿日
2021年01月17日
更新日
2023年08月29日
撮影場所
チルボン / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF