ジャカルタの住宅街を歩いていると、ただただ座っているだけで何をしているのか分からない人をよく見かけるけれど、この男は何をしているのか分かりやすかった。大きな車輪の付いたワゴンを押していた男は、どこからどう見ても行商人だ。
男が押していたワゴンは水色と白と赤に塗られていて可愛らしい。その色の組み合わせは、まるでロシア国旗のようだ。いや、オランダ国旗かな。それともルクセンブルクの国旗かもしれない。ふと考えると、ロシアとオランダとルクセンブルクの国旗はとても似ている。
三色で表される国旗というとフランスのトリコロールを真っ先に思い浮かべるけれど、世界で最も古い三色旗はオランダの国旗だ。オランダを支配していたスペイン王フェリペ2世に対して、オラニエ公ウィレム1世が蜂起した際に使用したオレンジ・白・青の三色旗がその起源なのだという。そして、ロシアやルクセンブルグの国旗も、その三色の組み合わせに影響を受けているという説もある。
ジャカルタの住宅街を縄張りとしている行商人が、かつての宗主国であるオランダの国旗をモチーフにしているとは考えづらい。たまたま良い感じの配色を考えていたら、オランダ国旗と同じような配色になってしまったのだろう。ただオランダ国旗と全く同じ配色だと不愉快だから、ルクセンブルグ国旗と同じように青を明るい水色に変えたのかもしれない。
2020年8月 インドネシア 人びと | |
帽子 行商人 ジャカルタ サンダル 出店 色鮮やか 車輪 |
No
11647
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年08月24日
更新日
2023年09月01日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF