根津美術館の庭園にあった仏像は親指と薬指で輪っかを作っていた

根津美術館の庭園にあった仏像
根津美術館の庭園にあった仏像
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谷根千と呼ばれる散策スポットに根津という地名が含まれているけれど、根津美術館が建っているのはその根津ではない。下町風情が人気の根津とは対照的で瀟洒な雰囲気のある南青山に美術館は建っている。根津美術館の根津は地名の根津ではなく、所蔵品の基礎となったコレクションを収集した根津嘉一郎という人物の名前に由来している。根津美術館は根津嘉一郎の邸宅があったところに造られた、コレクションを保存・展示するための美術館なのだ。

国宝を7件、重要文化財を88件も所蔵しているコレクションが素晴らしいのは言うまでもないものの、個人的には本館の奥に広がっている庭園も負けてはいない。都心にある美術館だから、それほど広くないだろうという思い込みを見事に打ち砕いてくれるだけの広さのある庭園を歩いていると、仏像に遭遇するわ、茶室はあるわ、鳥居と祠はあるわで、都心にいるのを忘れてしまいそうになる。

写真の仏像はそんな根津美術館の庭園にあったものだ。空調の効いた美術館の中に鎮座している仏像と違って、雨ざらしだった仏像は右手の親指と薬指で輪っかを作っていた。おそらくは説法印という印相で、お釈迦さまがジェスチャーを交えながら説法している姿を表していると思われるものの、僕にはお金を示すサインをしているように見えてしまう。僕と同じように思う人が多いのか、仏像の手のひらには何枚ものお賽銭が置かれていた。

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ENGLISH
2022年8月 静物 東京
青山 仏像 庭園 お金 博物館・美術館

PHOTO DATA

No

12359

撮影年月

2022年3月

投稿日

2022年08月26日

更新日

2023年08月11日

撮影場所

青山 / 東京

ジャンル

静物写真

カメラ

SONY ALPHA 7R II

レンズ

ZEISS LOXIA 2/35

日本国内で撮影した写真とエッセイ

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