地図を眺めていると、荒川にロックゲートという設備が設けられているのに気がついた僕は、行ってみることにした。ロックゲートとは水位の異なる河川の間に設けられ、船を通航させるためのもの。川と川のあいだに水門をつくって、水位を調節して水面の高さを合わせて船を通すのだ。平たく言うと、水位の違う河川間に設けられたエレベータだ。オランダなど運河の多いところに多く設けられている印象があるものの、東京にもあるとは知らなかった。なんでも荒川ロックゲートが繋いでいる荒川と旧中川の水面差は最大で3.1メートルにもなるのだそうだ。
都営新宿線の東大島駅で電車を降りると、何の変哲もない駅前を抜けて荒川沿いにある小松川自然地へ向かう。ここから荒川の下流に向かっていくと、荒川ロックゲートはそう遠くない。そう思っていた矢先、僕はあることに気がついた。荒川の土手の先にビルも何もない大空が広がっている。当たり前のことと思うかもしれない。でも東京ではホリゾントのような空を拝める場所はあまりない。大抵の場合、どこかに人工物が入ってしまうものだ。でもここにはそれがない。土手の向こうにあるのは空と雲だけ。荒川ロックゲートに向かうのをしばしお預けにして、僕は土手に向かってカメラを向けることにしたのだった。
2022年11月 町角 東京 | |
自転車 雲 小松川 シルエット 空 木 |
No
12405
撮影年月
2022年7月
投稿日
2022年11月29日
更新日
2023年08月10日
撮影場所
小松川 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35