太陽が燦々と降り注ぐ芝生の広場を縁取るようにできている木陰の中で人びとが寝転がったりしてくつろいでいる。ここは駒場にある駒場公園、かつて前田侯爵の邸宅だったところ。つまり加賀藩主だった前田利家の末裔が住んでいたところだ。
さすがは加賀百万石を治めていた前田本家だけあって、明治になってから建てられた邸宅の庭も多くの人がくつろげる広いものだ。造られた当初と異なり、今となっては周囲をぐるっと住宅に取り囲まれているけれど、それでも芝生広場にいると周囲の建造物の存在は気にならず開放感を感じられる。家から歩いて来れるところにあったら、本の一冊でも抱えて頻繁に訪れたいところだ。
そのような素敵な前田侯爵邸も、残念ながら建てた本人である前田利為が住んでいた期間はそれほど長くはない。邸宅が完成してから13年後に前田利為はボルネオ沖で事故死してしまうのだ。すると邸宅は他人の手に渡ってしまい、戦後になると米軍に接収されていた。連合軍極東軍司令官の官邸になっていたというから、てっきりマッカーサーがここに住んでいたのかと思いきや、住んでいたのはホワイトヘッド第五空軍司令官のようだ。
2022年7月 人びと 東京 | |
ベンチ 駒場 芝生 公園 影 広場 木 |
No
12315
撮影年月
2022年5月
投稿日
2022年07月04日
更新日
2024年06月27日
撮影場所
駒場 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35