何も考えずに乗り込んだ列車は各駅停車のようだった。どの駅にも停車している。車内アナウンスもないような状況だったので、以前ならば自分がどこにいるのか把握することは難しかっただろう。駅に着く度に必死で駅名を確認して、それを地図で確かめないとどこにいるのかは分からなかったのだ。
でも、もう駅に到着しても、列車の外を見渡して駅名を確認することもない。スマートフォンの存在が現在位置の確認方法をすっかり変えてしまったのだ。ポケットからスマホを取り出せば、たとえ異国の地にいようとも自分がどこにいるのかすぐに分かってしまう。便利な世の中になったものだ。でも、同時に旅の醍醐味も失われてしまったような気もしてしまう。迷うことも旅の一部だったのだから。
またしても、列車は駅に停車しようとしていた。スマホを取り出して位置情報を見ると、ここはまだ僕が下車する駅ではなかった。それでも、昔と同じように車窓から顔を出して駅構内を見渡すと、プラットホームには地元の人たちが立っているのが見えた。
2019年2月 ミャンマー 人びと | |
弁当箱 プラットホーム 駅 タナカ 列車 ヤンゴン |
No
10900
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年02月16日
更新日
2024年01月21日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA