水仙宮市場の通路は薄暗く、ところどころに裸電球がぶら下がっているだけだった。その控えめな明かりが市場の雰囲気を一層際立たせている。このような市場を歩いていると、たまに「日本食」を売るお店に出くわすことがある。しかし、日本人である僕からすると、その多くは似て非なる日本食だと感じてしまう。
今回見つけたお店は日本食ではなかった。代わりに、韓国の惣菜を売るお店だった。店頭には大きなトレイがいくつも並び、その中には真っ赤なキムチが山盛りになっていた。台湾では、全体的に料理の味付けが控えめな傾向がある。だからこそ、キムチのような刺激的な味が新鮮で、人気を集めているのかもしれない。
店先では、一人の男が大きなスプーンを手に、キムチをかき混ぜていた。トレイの中身が均一になるように、慎重かつ力強く混ぜている。その真剣な表情と赤く染まったトレイのコントラストが、薄暗い市場の中で妙に印象的だった。
2017年4月 人びと 台湾 | |
エプロン デリカテッセン 市場 台南 青年 |
No
10116
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年04月22日
更新日
2024年12月19日
撮影場所
台南 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA