鴨母寮市場の惣菜屋で、ひとりの女性が肉まんを蒸す準備をしていた。彼女は、餡を包み終えた肉まんを木製の台の上に綺麗に並べているところだった。この台ごと蒸されるのだろう。それぞれの肉まんは小さな敷き紙の上にちょこんと置かれ、その姿がどこか可愛らしい。
女性は柔らかな表情を浮かべながら、一つ一つを丁寧に載せていた。その動きには優しさがあり、まるで自分の子どもを世話しているような雰囲気が漂っている。肉まんをそっと扱う彼女の手つきからは、ただの作業以上のものを感じた。
手作りの肉まんたちは、それぞれ形が少しずつ異なっている。いびつなものもあれば、ふっくらと丸いものもある。それでも、彼女は一切気にすることなく、一つ一つを丁寧に並べていく。その姿には、どんな出来でも大切に思う心が見えるようだった。「出来の悪い子ほど可愛い」とまで思っているかどうかは分からないが、彼女がこの肉まんたちを心から大事にしているのは間違いないように思えた。
2017年4月 人びと 台湾 | |
デリカテッセン 市場 台南 |
No
10110
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年04月17日
更新日
2024年12月20日
撮影場所
台南 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA