坊主頭の男が鳥籠を持ってホーチミンにある仏教寺院の入口に立っていた。男はここで愛玩用の小鳥を売るために立っていたわけではない。商売をするという意味では同じだけれど、男は代金と引換に放鳥させるために立っているのだ。
日本ではあまり見かけないけれど、仏教には放生とか放鳥というものがある。捕らえられた鳥を放してやることによって功徳を積むことができるとされているのだ。そのため東南アジアにある仏教寺院では、放鳥させるための小鳥を入れた鳥籠を目にすることも多い。この男が抱えた鳥籠もそのためのもの。予め用意しておいた小鳥を寺院に参拝に訪れた人に放させることにより、男はお金を稼いでいるのだ。
お金を払って放鳥して功徳を積むのは、つまり功徳をお金で買うのと同じで、なんだか仏教の本来の姿からはちょっと逸脱しているような気がするものの、あちらこちらで同じ風習を見るのを考えると、違和感を感じない人も多いのだろう。
ちなみに放たれた小鳥たちは、近所の子どもたちが小遣い稼ぎに捕まえるようだ。
2009年6月 人びと ベトナム | |
鳥 籠 ホーチミン市 坊主頭 |
No
2851
撮影年月
2009年3月
投稿日
2009年06月02日
更新日
2024年07月01日
撮影場所
ホーチミン市 / ベトナム
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM