鴨母寮市場にあった肉屋のテーブルの上には、切り分けられた鶏肉が所狭しと並べられていた。それぞれが部位ごとに綺麗に分けられ、すぐにでも販売できる状態になっている。肉の新鮮さを物語る色艶が目を引く。
テーブルの向こう側では、前掛けをして手袋をはめた女性が黙々と作業を続けていた。彼女の手は休む間もなく動き、売り物となる鶏肉をせっせと捌いている。その熟練した動きは、彼女がこの作業を日常の一部として身に付けていることを物語っていた。
ふと目を引いたのは、テーブルの端にぽつんと置かれた一羽の鶏。その鶏だけはまだ捌かれておらず、頭をテーブルの外に垂らしている。少しの衝撃で落ちてしまいそうな不安定な状態だ。なぜこの鶏だけが未処理のまま店頭に並べられているのか、少し気になった。
新鮮な鶏肉を売っていることを示すためのデモンストレーションなのだろうか。それとも、特別な注文に応じてその場で捌くために置いているのか。いずれにせよ、その一羽だけが他の肉とは異なる存在感を放っていた。
2017年4月 食べ物 台湾 | |
肉屋 鶏・鶏肉 頭 市場 台南 |
No
10111
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年04月17日
更新日
2024年12月20日
撮影場所
台南 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA