七尾市に和倉温泉という温泉がある。1200年の歴史があるとされる古い温泉だ。和倉という名前は「湧く浦」がなまったもだという。つまり湯の湧く浦(入り江)ということ。そのとおり和倉温泉では七尾湾に面して旅館が並んでいる。
僕がやって来た旅館も七尾湾に面していて、ラウンジの大きな窓の外にある庭越しに水面が広がっていた。手前に植えられている近景の松とその向こうに植えられている遠景の松の先に七尾湾が広がっていて対岸の能登島ははるか遠くだ。
この景色はとある日本画をモチーフに造られている。その絵とは東京国立博物館に所蔵されている長谷川等伯の松林図屏風だ。長谷川等伯はここ七尾の出身であるため、地元出身の画家の代表作を作庭のモチーフにしたのだという。
確かに松林図屏風を見ると、近景にある松とその向こうにある松が描かれていて、この庭と同じだ。しかしながら、松林図屏風には近景と遠景の松が描かれているだけなのに対し、この庭園には池も設けられているし、海も見えるし、対岸には島も見える。眺めただけで松林図屏風をモチーフに作庭されたとは分からなかった。まだまだ修行が足りない。
2021年11月 町角 石川 | |
カップル 庭園 ホテル 着物 七尾 松 シルエット |
No
12077
撮影年月
2021年6月
投稿日
2021年11月01日
更新日
2023年08月17日
撮影場所
七尾 / 石川
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF