細長い木製のボートが2艘並んで波止場に横付けされていた。商品を売り歩くためのボートではなく、観光客を遊覧させるためのボートのようだ。2艘の上には何も商品が載っていない。あるのは座席だけだ。では観光客が乗っていたかというとそいうでもない。船頭の男が手持ち無沙汰に腰を下ろしているだけだった。
僕はダムヌン・サドゥアック水上マーイケットが開かれている運河の脇に立ち止まり、暇そうな船頭と運河の全景をボンヤリと眺めていた。時折、観光客を乗せたボートが現れてはどこかへ消えていく。観光客を乗せることに成功した船頭もいるようなのだけれど、写真の船頭はどうもうまく行っていないようだ。
しばらくすると、また1艘のボートが近づいてきた。そのボートが脇をすれ違おうとした時だった。ボートの上で暇そうにしていた船頭は突然ポケットから数枚のお札を取り出して、すれ違うボートに乗っている観光客に見せている。船頭がなぜそのような行為に及んだのかは分からない。観光客だって脈絡なくお札を見せつけられても困惑するだけだろう。
2020年4月 人びと タイ | |
ボート ダムヌン・サドゥアック お金 |
No
11478
撮影年月
2019年9月
投稿日
2020年04月08日
更新日
2024年02月08日
撮影場所
ダムヌン・サドゥアック水上マーケット / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA