誰かに許可を取ったわけでもなく、たまたま歩いていて見つけたので市場に入り込んで写真を撮っていたのだけど、そこで働いている人たちは特に気に留めていないようだった。明らかに外国からやって来た闖入者を邪険に扱うわけでもなく、目が合えば相手にしてくれる。何をしに来たのだなどと僕を詰問する人はおらず、仕事の邪魔だからと追い払われることもない。誰もが買いに来られる市場は、見ず知らずの人間にも開放的なのだ。
そんな市場を一眼レフを片手に歩いていると、中には僕に興味を示して写真を撮ってくれと言ってくる人もいる。10年以上前ならいざ知らず、カメラ機能のあるスマホを持っている人が多い今でも大きな(ミラーレスだからかなり結構小さいけれど)カメラに惹かれる人もいるのだ。要望に応じてファインダーを覗くと、撮影にノリノリになっているふたりの男の横に浮かない顔の男が座っていた。ポーズを決めた男やカメラを力強く見つめる男と違って、この札束を握りしめた男は、写真なんてどうでも良くて仕事のジャマなんだよなぁと苦々しく思っていたのかもしれない。
2024年10月 インド 人びと | |
眼鏡 男性 お金 ムンバイ 口髭 ポーズ 三人組 |
No
12682
撮影年月
2024年5月
投稿日
2024年10月24日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF