ジャカルタの町を歩いていると、道端に出したテーブルの脇に立って野菜を洗っている男がいた。テーブルの上にはいくつかバケツが置いてあって、男はエプロンをしている。本格的に野菜を洗っているようだ。何気なく通り過ぎようとした時、僕は手前に置かれた容器に気がついた。緑色の液体が入った容器だ。
まるでカクテルのように鮮やかな緑色をしている液体は洗剤だろう。男は洗剤を使って野菜を洗っているのだ。インドネシアでは洗剤を使って野菜を洗う!体に良いはずの野菜を洗剤で洗ってしまう。これでは野菜が体にいいものではなくなってしまう。なんてもったいないことをするのだと思ったのだが、これはそれほど奇異な行動ではないようだ。
日本でもかつては野菜を洗剤で洗うのは一般的だった。野菜に付着している農薬を洗い流すだけでなく、寄生虫の卵も洗い流すためだ。そもそも日本で最初に発売された食器用洗剤は、野菜と果物と食器の全てを洗うためのものだった。今でも食器用洗剤の用途をよく見てみると、野菜と果物が記載されているものは多い。
それがいつしか野菜は洗剤では洗わないということになってしまっているようだ。常識だったものが、いつの間にか非常識なことになってしまう。気が付かないだけで、他にも僕の周りにそのようなものがあるかもしれない。
2020年10月 インドネシア 人びと | |
エプロン バケツ ジャカルタ 野菜 洗う |
No
11700
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年10月16日
更新日
2024年01月09日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF