浅草寺で目を引くものと言えば、なんと言っても大きな提灯だろう。境内には要所々々に大きな提灯がある。正門である雷門から観音堂へ向かって進むと、まずは雷門の下にひとつ目がぶら下がっている。仲見世を抜けて宝蔵門のところにふたつ目の大きな提灯があり、観音堂の正面にみっつ目の大きな提灯がぶら下がっている。大きな建造物にそれぞれ大きな提灯が掲げられているのだ。
提灯にはそれぞれ勘亭流という個性的な字体で「雷門」、「小舟町」、「志ん橋」と書かれている。雷門に掲げられている提灯に「雷門」と書かれているのは理解できるけれど、「小舟町」と「志ん橋」と書かれている理由は見ただけではよく分からない。
小舟町は日本橋小舟町、志ん橋は港区にある新橋のことで、両方とも浅草からは離れているものの、東京都内の地名だ。ちょっと離れた町の人たちが、ここ浅草寺に提灯を奉納したのたのは宣伝効果を狙ったからだという。江戸時代の昔から、浅草は多くの人が訪れる繁華街だった。中でも浅草寺はその中心。大勢の人が練り歩く境内に町の名前を書いた提灯を掲げれば宣伝効果は絶大。そう考えた小舟町と新橋の人たちはその宣伝効果を狙って、浅草寺に提灯を奉納したのだという。
ちなみに雷門と書かれた提灯を奉納したのは家電メーカーのパナソニックだ。もし松下幸之助が小舟町や新橋の人たちのように宣伝効果を一番に考えたのなら、提灯に書かれたのは雷門ではなくパナソニックの社名だったかもしれない。
2021年6月 建築 東京 | |
浅草 提灯 境内 赤 浅草寺 |
No
11936
撮影年月
2020年10月
投稿日
2021年06月13日
更新日
2023年08月22日
撮影場所
浅草 / 東京
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF