雷門通りを歩いていると、やがて雷門の前へと辿り着いた。その門には、大きな提灯がぶら下がっている。圧倒的な存在感を放つその提灯には「雷門」と書かれており、重さは300キロにもなるという。寄進者の名には、あの松下幸之助の名前が刻まれていた。関西の人という印象の強い松下が、東京の仏閣に名を残しているとは意外だった。だが、寄進という行為には、地域や時代を超える何かがあるのかもしれない――そんな思いがふと頭をよぎる。
雷門は、国内外から多くの観光客を惹きつけている。東京で最も有名な門だと言っても過言ではないだろう。この日も、門の周囲には絶え間なく人々が集まり、写真を撮り合う姿が見られる。ふと、誰もいない門の写真を撮りたいという衝動に駆られた。しかし、それが叶わないことはすぐに悟った。この場所において、人と門は一体の存在なのだ。それを切り離して見ることは、どこかで門そのものを否定することになるのではないか――そんな考えが頭をかすめた。
2017年6月 建築 東京 | |
浅草 門 提灯 赤 浅草寺 |
No
10193
撮影年月
2016年11月
投稿日
2017年06月28日
更新日
2024年11月25日
撮影場所
浅草 / 東京
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA