​​観音崎には見事な地層に惹かれる人よりも、磯釣りに惹かれる人の方が多い

長い釣り竿を抱えた男
長い釣り竿を抱えた男
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走水漁港を出て、海沿いを歩いて観音崎へと向かう。防衛大学校の走水海上訓練場を越えて観音崎ボードウォークに入っていく。ここは波打ち際に設けられた遊歩道だ。大きな波が来たら、逃げ場がないところにウッドデッキが伸びていて、ちょっと不安になる。しかし、そんな顔をして歩いている人は誰もいない。大きな波の心配は無用な場所なのかもしれない。

波の大小も気になるものの、それより歩いていて気になるのは至るところに顔を出している地層だ。地層なのだから、本来は地表と水平に形成されるはずなのに、この辺りで見られる地層はどれもこれも傾いている。堆積した地層が押し上げられて地表に出てくるまでの間にさまざまな影響を受けた結果、傾斜してしまったというけれど、見ているとミルフィーユの断面を見ているようで面白い。

これほど見事な地表を目にするのはなかなかない経験なので、僕は興味深く見ていたのだけれど、周りにいた人はそれほど惹かれていないようだった。その代わり、多かったのは釣り竿を携えた人だ。世の中には地層好きよりも釣り好きの方が多いから、地層を熱心に眺める人よりも釣り竿を携えた人の方がずっと多い。何せいくら地層を眺めても腹は膨れないけれど、釣りは上手く行けば鱈腹食べられるのだから仕方ない。

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ENGLISH
2022年6月 神奈川 人びと
バック・ショット 釣り竿 横須賀

PHOTO DATA

No

12302

撮影年月

2022年4月

投稿日

2022年06月20日

更新日

2023年08月12日

撮影場所

横須賀 / 神奈川

ジャンル

ストリート・フォトグラフィー

カメラ

SONY ALPHA 7R II

レンズ

ZEISS LOXIA 2/35

日本国内で撮影した写真とエッセイ

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