繰り返し繰り返し寄せては返す波を前に腰を下ろした時、人は何を話すのだろう。繰り返しにほだされて突拍子もない話をしてしまうかも知れないし、単調さの中に感じる変わり映えしない日常について語ってしまうかもしれない。それとも波の音に飲み込まれ、何も話せないかも知れない。確かなのは波が来なくなることはないということ。いつだって波は波打ち際で誰かが話し出すのを待っているのだ。
鎌倉にある由比ヶ浜を歩いていると、波打ち際に女性ふたりが並んで腰を下ろしていた。ふたりとも海を向いていて、視線の先には大海原が広がっている。周囲には誰もおらず、遠く沖にウインドサーフィンのセイルが別の世界の出来事のように浮かんでいる。ふたりの会話にちょっかいを出してくるのは波の音と風の音だけ。これから腰を据えて話をするのにふさわしい舞台と言っていいだろう。
舞台は整って、第三者からするとあとは話を始めるだけのように思えても、それはそれで準備が必要なようで左側の女性はコンパクトミラーでメイクをチェックしていた。
2022年3月 神奈川 人びと | |
バック・ショット ビーチ 二人組 海 水平線 空 波 女性 |
No
12214
撮影年月
2021年12月
投稿日
2022年03月24日
更新日
2023年08月15日
撮影場所
鎌倉 / 神奈川
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 1.8/85