もういい年齢になったので、知らず知らずに治っているのではないかと期待したものの、現実はそれほど甘くなかった。いくつになっても怖いものは怖い。横須賀にある日本最古の洋式灯台である観音崎灯台に登って、外に出られるバルコニーに辿り着くと見事なまでに腰が引けてしまったのだ。それほど高い灯台ではない。たかだか地上19メートルくらいだ。でも怖い。怖くてバルコニーに出られない。教科書に載っても不思議ではない腰の引け方だった。高所恐怖症はそう簡単に治らないのだろう。というより一生治らないに違いない。
バルコニーへは出られなかったけれど、出口からなんとか頭だけを外に出して写真を撮って景色を眺める。事前に調べた情報によると、防衛省の敷地にあるため地上からは近づけない観音崎水中聴測所跡が見えるはずなのだけれど、それを確認する余裕はなかった。水中聴測所とは特殊聴音機を設置して、潜航して侵入する敵潜水艦を捕捉するための施設。走水に東京湾に侵入しようとする艦艇を砲撃するために砲台が設けられていたのと対をなすように、観音崎には潜水艦を感知する施設が設けられていたのだ。そのような印象をもったことはないけれど、横須賀は首都東京を護るための要衝のようだ。
2022年6月 建築 神奈川 | |
灯台 横須賀 |
No
12305
撮影年月
2022年4月
投稿日
2022年06月23日
更新日
2023年08月12日
撮影場所
横須賀 / 神奈川
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35