三笠公園は横須賀の海辺に設けられている。ここには戦艦三笠が博物館船として保存されている。連合艦隊旗艦であった三笠は1904年の日露戦争にももちろん参戦していて、東郷平八郎や秋山真之が日本海海戦の指揮を執ったのはこの船なのだ。
公園の中に入ると、戦艦三笠の姿はすぐに目に入っていくる。しかし、思っていたよりもずっと小さい。100年以上も前に建造された戦艦だから仕方がないのかもしれないが、ちょっと残念な気持ちになってしまったのも事実だ。それでも、日本史における重要性と世界で現存する唯一の前弩級戦艦という価値には何ら変わりはないだろう。連合艦隊の旗艦であった三笠も、1906年に英国が戦艦ドレッドノートを建造したことにより、一気に時代遅れの代物になってしまったのだという。ちなみに、「超弩(ド)級」という時の「ド」は戦艦ドレッドノートのことを指している。ドレッドノート級の戦艦を越えるくらい凄いというのが元々の意味なのだ。
陸の上から舳先の方に回ると、人が数人いるのが見えた。みな振り返って写真を撮っている。そこからのブリッジの眺めを収めているのだろう。長閑な日だった。当たり前だけれど、ここには戦場の思わせるものは戦艦それ自体以外に何もない。舳先の日の丸が風になびいていた。
No
10327
撮影年月
2017年7月
投稿日
2017年10月27日
撮影場所
横須賀 / 神奈川
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA
モノクロの写真を108枚掲載。もちろんKINDLE UNLIMITEDでも読めます。