釣り船が出港すると、他に出港するような漁船はどこにも見当たらず、港は静寂に包まれた。チャプチャプと可愛らしい波が打ち寄せていた。僕は人の気配のしない港をウロウロしながら、干してあるワカメだったり、陸揚げされた漁船のスクリューだったり、何に使うのか分からない道具の写真を撮っていた。
そうこうしていると、どこからともなく声が聞こえてきた。人がいる。しかもその人は僕に話しかけているようだった。声の聞こえてくる方に視線を向けると、ポツンと置かれたベンチに男性が腰を下ろしている。その男性が声を掛けてきたのだ。
男性は僕が閑散とした港で何をしているのか気になった模様。プラプラと散歩しながら写真を撮っているのを伝えると、分かったような分かっていないような顔をしている。逆に男性がに何をしているのか尋ねると、ワカメ漁を終えて休んでいるところなのだという。そのようなイメージはなかったのだけれど、横須賀の海ではワカメ漁が行われているらしい。道理で港のところどころにワカメが干してあるわけだ。
興味津々に男性の話を聞いていると、すぐ近くの建物でワカメの下ごしらえをしているから写真を撮っていけと言ってくれた。指示通りに建物の中を覗くと、確かに大量のワカメとともに女性が働いていた。ここで働いていた女性も男性と同じく気さくな人で、写真を撮らせてほしいというと、快く撮らせてくれた。
2022年6月 神奈川 人びと | |
帽子 工場 笑顔 女性 横須賀 |
No
12301
撮影年月
2022年4月
投稿日
2022年06月19日
更新日
2023年08月12日
撮影場所
横須賀 / 神奈川
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35