色とりどりの果物が店頭に並んでいた。スイカにグアバ、ライチに林檎と、南国らしい品揃えだ。台湾で売られている果物はどれも驚くほど安く、日本で買うのとは比べ物にならない。果物好きがこの光景を目にしたら、きっと小躍りするに違いない。
けれど、幸か不幸か、僕はそれほど果物に惹かれるタイプではなかった。むしろ、屋台で売られている軽食やスナックの方が気になる。果物店の前を通り過ぎながら、果物の山を一瞥しつつ、次に向かう屋台のことを考えていた。
そんな僕の目に、果物店の前に立つひとりの女性が映った。彼女は、僕とは対照的に果物好きのようだった。店頭に並ぶ果物を前にして、実に満足そうな表情を浮かべている。その幸せそうな顔を見ていると、果物に対してこんなにも心躍る人がいるのだと、少しだけ羨ましく思った。僕には分からない世界が、彼女の目の前には広がっているのだろう。
2017年4月 人びと 台湾 | |
果物 市場 笑顔 台南 |
No
10121
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年04月26日
更新日
2024年12月10日
撮影場所
台南 / 台湾
ジャンル
スナップ写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA