ワット・サケットの近くにある路地へやって来た。バーン・バートと呼ばれるエリアだ。ここは「鉢の家」と呼ばれていて、タイで唯一今でも手で托鉢用の鉢を作っている場所だ。ご多分に漏れず、托鉢の鉢業界にも機械化の波が押し寄せているようで、職人が手作りする鉢というものは少なくなっているらしい。ここバーン・バートでも鉢を作り続けているのは5つの工房だけという。伝統技能は徐々に希少なものになっているのだ。
足を踏み入れた狭い路地には、金属を叩く音が響いている。托鉢用の鉢は8枚の鉄板からなっていて、それをつなぎ合わせ、つなぎ合わせたものをハンマーで鉢の形に綺麗に整形するのだ。聞こえてくるハンマーの音は職人が鉢を整形している音だ。写真の女性も路地の一角で黙々と手際よく仕事をこなしていた。女性の仕事は整形が終わった鉢を黒く塗って仕上げることだった。女性の向こう側には黒光りした托鉢用の鉢が山積みになっていた。
2018年3月 人びと タイ | |
バンコク ボウル 職人 |
No
10499
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年03月31日
更新日
2024年02月27日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA