ほとんどの男たちはどこかに働きに出ているようだけれど、小さな集落の中には大勢の女性とこどもたちが残っていた。家々の前を通りかかると、どの家にも家の住人の姿が見える。この集落の家には玄関の扉というものが無いのが一般的だ。そのため、前を通ると家の中が見えてしまう。この辺りの人たちはどのような内装や調度品のある家に住んでいるのだろうか。興味がある。でも、興味本位で他人の家の中をキョロキョロ見るのははしたないとも思うのだ。結果として、家の前に来るとムクムクと頭を上げてくる好奇心を抑えながら歩いていた。
写真の家の前にやってくると、玄関先で子どもたちがのんびりしていた。これはいい口実だ。僕は子どもたちの写真を撮ることを口実に玄関に近づいて家の中を覗き見ようと思ったのだった。玄関先に腰を下ろした男の子は弟を抱えながら、ボウルを手にしている。食事を摂っている最中のようだ。シャッターを切りつつ、ふたりの背後の様子を窺おうとした瞬間、予想に反してもうひとりの子供が現れた。そして、突然現れた通りすがりの旅人を訝しげな視線で眺めている。他人の家の中を覗き見るのも思いの外難しいのだった。
2018年12月 ミャンマー 人びと | |
ボウル ダラ 入り口 こども 笑顔 |
No
10837
撮影年月
2018年9月
投稿日
2018年12月21日
更新日
2024年01月24日
撮影場所
ダラ / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA