バゴーの町には観光名所になっている仏塔が幾つもある。そのような場所では旅行者の姿を見かけたのだけれど、一度町の中心部に出ると、そこではもう観光客の姿を見かけることはほとんどない。歩き回っていても、他の旅行者と行き合うことはないのだ。ほとんどの旅行者はガイドブックに記載されているような仏塔にしか興味がないのかもしれない。確かに賑わっているとはいえ、町の中心部の通りには特筆すべき者は何もない。お店が普通に営業していて、地元の人たちがのどかな空気の中をのんびりと行き来しているだけだ。
僕も地元の人にならってのんびりと歩いていると、ひとりの男が近づいてきた。緑のタンクトップを着ている男の体にはあちこちに刺青が入っているのが見える。ちょっと怖そうな雰囲気もあるけれど、顔はにこやかだ。おそらくはカメラを持って歩いている外国人に興味を持ったのに違いない。男が目の前に立ち止まるのとほぼ同時に僕はカメラを男に向けた。そして、男が何かを発する前に先手を撮ってシャッターを切ったのだった。
No
11145
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年08月14日
撮影場所
バゴー / ミャンマー
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA