東京の荏原で撮影。
ミャンマーから帰国して、この日は東京の家の近くを歩いていた。住宅街の中を歩く。もうここにはヤンゴンと違ってクーン売りの姿はない。道の両脇には家々が静かに立ち並んでいるだけだ。そして、歩いている人も少ない。この日に僕が向かっていたのは小山八幡神社だ。この辺りに住み始めて10年くらいになるけれど、この神社には赴いたことがないのだ。小山八幡神社は住宅街の中で小高くなった場所に建てられていた。住宅街と同じように境内も静けさに包まれている。僕が訪れた時は参拝客の姿もなく、境内はひっそりとしていた。
小高い丘の上にある境内からの眺めは品川百景にも選ばれているのだという。中沢新一さん曰く、歴史ある神社や仏閣は昔から古くからの台地である洪積層の上に建立されていることが多いそうだ。この神社もその例に当てはまるのだろう。中沢さんのいう「サッ」の上に建てられているのだ。でも、縁起に書かれているようにその創建が1000年近く遡るのはいくら洪積層の上に建てられているとはいえ、ちょっと大袈裟な気がした。