丸の内にあるオアゾの渡り廊下に立ち止まり、下を見下ろしていた。この渡り廊下を通る人は少ない。そもそもここにあることを知っている人が多くないのかもしれない。それとは対照的に下の通路では大勢の人が絶え間なく行き交っていた。僕はその光景を上からぼんやりと眺めていた。
渡り廊下の大きなガラス張りの壁からは日光が降り注ぎ、下を行き交う人々はみな一様にシルエットとなって映し出されている。彼らの動きは決して止まらず、絶え間なく流れている。まるで川の流れのように、一瞬たりともその流れが途切れることはなかった。
オアゾという名前には、エスペラント語で「オアシス」や「憩いの地」といった意味が込められているという。しかし、視界に入るのはどこかへ向かって忙しなく移動している人々ばかりだ。そのシルエットからは、オアシスらしい安らぎも、憩いの地の静けさも感じられない。ただ、人の流れの速さだけがそこにあった。
2017年7月 町角 東京 | |
丸の内 影 シルエット |
No
10231
撮影年月
2017年1月
投稿日
2017年07月31日
更新日
2024年11月16日
撮影場所
丸の内 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA