東京駅にほど近い丸の内に建つ大きなオフィスビル・東京ビルTOKIAは閑散としていた。平日ならば多くの人が働いていているオフィスも、週末にはあまり人がいないのだろう。オフィスエリアへのエントランスも静けさに包まれていた。
しかし、いくら出社している人が少ないとはいえ、大きなオフィスビルのインフラは働き続けている。空調は稼働して、エレベーターは上下して、警備員がビルの中を巡回している。ちょうど僕が薄暗いエントランスを眺めていたときも、どこからともなく帽子をかぶった警備員が現れてフロアを横切っていった。ビルが開いているかぎり、この仕事には週末も関係ない。大変な仕事だ。
少子化が進んでいている日本では、労働人口の減少も問題になりつつあり、早晩、肉体に負荷の高い仕事や賃金の低い仕事には人が集まらなくなると言われている。週末も祝日も関係のない警備員の仕事もやる人がいなくなってしまうのではないかと心配する僕の考えを見透かしたのか、人間の警備員が消え去ったフロアに、今度は警備ロボットが現れて徘徊し始めた。労働人口の減少を見据えて、このビルにはすでにロボットが導入されているのだった。
2023年4月 人びと 東京 | |
薄暗さ 衛兵・守衛 丸の内 シルエット |
No
12476
撮影年月
2023年1月
投稿日
2023年04月09日
更新日
2023年08月08日
撮影場所
丸の内 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 1.8/85