一般の人が丸の内側から東京駅の中に入ろうとすると、南北に伸びる駅舎の北と南にあるドームの中にある改札から入ることになる。皇室専用貴賓出入口のような重厚さはないものの、高いドーム状の屋根で覆われた改札は歴史を感じさせる。ほとんどの人は急ぎ足で通り過ぎてしまうけれど、ちょっと立ち止まって口を半開きにしながら上を眺めてもいいスポットだと思う。
東京駅が開業したのは1914年のこと。正面玄関のある丸の内周辺が、三菱の2代目当主・岩崎弥之助に払い下げられてから25年近くが経過し、赤煉瓦の建物が並ぶ町並みが一丁倫敦と呼ばれるようになっていたものの、現在のように地下街がアリの巣のように張り巡らされていたわけではないだろう。
そのため東京駅で地下街に降りていく階段は改札のあるドームの外側、駅舎の外に設けられている。東京駅の建設当時には地下街への通路を設けるなんて発想はなかったに違いない。しかしながら、今では改札から出てきた人の多くが、ドームを出てすぐ目の前にある階段を下っていくし、地下街から階段を上がってきた人も改札の奥に消えていく。この時も階段とドームの間にある日溜まりを眺めていたら、階段を上がった女性の脚が改札に向かっていくのが見えた。
2021年11月 町角 東京 | |
脚 丸の内 影 日溜り |
No
12081
撮影年月
2021年7月
投稿日
2021年11月05日
更新日
2023年08月17日
撮影場所
丸の内 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF