小雨が降りしきる中、傘を差した男性が誰もいない階段を小走りで下っていた

丸の内で見かけた傘
丸の内で見かけた傘
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アジアの国々を旅していると、日本とに対する価値観が違うと感じることは多い。日本における傘に対する価値よりも、アジア諸国における傘の価値のほうが高いと感じるのだ。日本でも高級な傘というものは存在している。でも、アジア諸国で感じるのは高級か粗悪かに関係なく、傘という存在そのものが貴重である点。だから、傘が貴重な国では町中で傘の修理人たちを見かける。

傘が壊れてしまった場合、日本では高価な傘でない限り新しい傘を購入する人が多いだろう。でも、傘が貴重な国では壊れた箇所を修理して使い続けるのが多数派だ。そう簡単に買い換えられないのだろう。その結果、道端にいくつもの傘を抱えて、折れた骨組みを直していたり、布を張り替えたりしている人がいるのだ。かつては日本でも傘は修理するのが当たり前だったかもしれないけれど、ビニール傘が一般的になっている今では想像できない。そう考えると、どこでも安価に入手できて、前方の視野も遮られないビニール傘は、傘業界のゲームチェンジャーだったのかもしれない。そして、傘をアジア諸国にあまねく普及させる可能性のある偉大な商品なのかもしれない。

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ENGLISH
2023年7月 町角 東京
手摺 丸の内 階段

PHOTO DATA

No

12523

撮影年月

2023年4月

投稿日

2023年07月11日

更新日

2023年08月07日

撮影場所

丸の内 / 東京

ジャンル

ストリート・フォトグラフィー

カメラ

SONY ALPHA 7R V

レンズ

ZEISS BATIS 1.8/85

日本国内で撮影した写真とエッセイ

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