歩いていた場所はヤンゴンのダウンタウンだった。英国統治時代に整備された区画で、あちらこちらに植民地時代に建てられた立派な建造物が今でも残っている。そのような立派な建物は今でも官庁や国営企業によって使われていて現役だ。でも、歩いていてもスーツを着たようなエリートの姿は見かけない。幸か不幸かこの日は日曜日だったので、道は閑散としていた。
交差点に差し掛かると、自転車タクシーが1台停まっていた。両頬にタナカを塗った車夫が愛車の上に腰を下ろしている。男はここで客待ちをしているのだった。車夫は僕を見かけると声を掛けてきたので、僕は男の自転車に乗るつもりがないまま近づいた。そして、カメラを男に向けたのだった。すると、男は目を逸らし、どこか遠くを見詰め始めた。僕が客にならないと分かって、ちょっとがっかりしているのかもしれない。
道の先には連邦政府庁舎の塔が見える。僕が目指していたフェリー乗り場はその近くだ。僕は車夫に礼をいい、塔の方へと歩き出したのだった。
2018年12月 ミャンマー 人びと | |
客待ち ロンジー リクシャワラー タナカ 塔 ヤンゴン |
No
10816
撮影年月
2018年9月
投稿日
2018年12月03日
更新日
2024年01月25日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA