特に何かを買うわけでもなく、水仙宮市場の通路にぼんやりと佇んでいた。この一角には魚屋と肉屋が軒を連ね、大勢の客が行き交っている。買い物を済ませた人々が、袋を手にして次々と市場を後にしていく。写真の男もその中のひとりだった。
その男はヘルメットをかぶり、ゴム長靴を履いていた。急いでいるのが一目で分かる。ヘルメットを脱ぐこともなく、魚屋の前に立ち寄り、短時間で買い物を済ませた。その手には、買ったばかりの品が詰められたビニール袋がぶら下がっている。
買い物を終えた男は、愛車のもとへ急ぎ足で向かっていく。市場の喧騒の中でも、彼の顔にはどこか険しいものがあった。きっと、この後もすぐに自分の店か職場に戻り、魚の下拵えか何かの作業に取り掛からなければならないのだろう。そんな雰囲気が、彼の動作や表情からにじみ出ていた。
2017年4月 人びと 台湾 | |
ヘルメット マスク・仮面 ビニール袋 険しい顔つき 台南 |
No
10122
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年04月27日
更新日
2024年12月10日
撮影場所
台南 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA