線路の上で開かれている市場を隅から隅まで歩いても、列車がこの線路の上にやって来るまではまだまだ時間があった。そこで、僕は一旦市場の外に出て町を散策することにしたのだった。市場を出て線路に沿って伸びる道を歩き出す。この道にもお店が立ち並んでいる。線路の上と同じように気怠い雰囲気が漂っている。違うのは、線路の上の方が活気に満ちているという点だった。
道端に多くの荷車が駐められている。市場に搬入するためのものなのだろう。歩いていると、犬が荷車の下で寝転がっていた。タイヤの間に犬の顔が見える。とても悲しそうな顔をしながら、虚空を見詰めている。何があったのか心配になってしまうような顔だ。近寄って頭でも撫でてあげたい気持ちになるのだけれど、そこはぐっと我慢だ。情けは人の為ならずと思った訳ではない。僕は単に狂犬病が怖いだけだ。日本ではもう何十年も発生してない狂犬病だけれど、ここタイでは少ないとはいえ毎年狂犬病による死者が出ている。不用意には犬に近づかないというのが、旅の間のポリシーなのだ。
2018年6月 動物 タイ | |
荷車 犬 メークロン タイヤ 車輪 |
No
10624
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年06月28日
更新日
2024年02月10日
撮影場所
メークロン / タイ
ジャンル
動物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA