ピースサインと腰パン

デニムを腰パンで穿いていた若者
インドネシアのジャカルタで撮影 オザワテツ

ジャカルタの工事現場では、腰パンの若者がピースサインをしていた

穏やかな雰囲気の住宅街を歩いていると、工事をしている場所へとやって来た。どうやら、小川に橋を架けようとしているようだ。橋の基礎が川の上に渡してあって、その傍らには若者がしゃがんでいた。かなりラフな格好をしているけれど、工事を行っている作業員だ。僕がカメラを構えているのに気がつくと、サンダル姿の若者は顔の前でピースサインをしてくれた。手の甲を外側に向けたピースサインだった。随分と若々しいピースサインだ。まあ、実際まだ若いのだろう。

よく見てみると、ピースサインの仕方だけでなく、その出で立ちも若々しい。しゃがんでいた若者の腰は丸出しになっていて、デニムの下にはいているパンツの端が見えていた。そう、若者はデニムを腰穿きしているのだった。いわゆる腰パンというやつだ。住宅街の中にある工事現場でも見られるなんて、アメリカの囚人服の風采に由来するとされる腰パンは、ここジャカルタでも若者の着こなしとしてすっかり定着しているようだ。

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腰パンとは?

腰パン(こしパン)とは、ズボン・パンツを通常より低い位置で穿くファッション。近年は腰穿きまたは腰履きとよばれる。若年男性が主な流行域で、学校の制服またはジーンズ、ジャージなどで行われることが多い。英語では“sagger”(sag は垂れ下がったという意味)と呼ばれ、元々は、ニュースクールのヒップホップ系ファッションだった。その始まりには諸説あるが、囚人服の風采に由来するとの説が有力視されている。囚人服は、たいてい大きめの物が用意されており、自殺防止や武器として使用を防ぐ理由で、ベルトの着用が許されていなかったため、自然とずり落ちてきた。ヒップホップは抑圧されたアフリカ系やヒスパニック系の文化であり、社会への反骨と受刑者への羨望、あるいは実体験から、囚人のスタイルを模して、腰パンファッションが生まれたと考えられる。実際は貧困から成長後も着用できる大きなサイズの服を買い与えたところから定着した。

ジャカルタってどこ?

PHOTO DATA

No

11648

撮影年月

2020年1月

投稿日

2020年08月25日

撮影場所

ジャカルタ / インドネシア

ジャンル

ストリート・フォトグラフィー

カメラ

SONY ALPHA 7R II

レンズ

ZEISS BATIS 2/40 CF

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