週末だったせいか芝の道を走っている車は少なかった。信号待ちをしている歩行者の前を横切る車は現れない。でも歩行者たちは動かない。赤信号を無視して道路を横断しようとする人はいないのだ。律儀に信号が青に変わるのを待っている。僕には当たり前の光景のように思えるものの、それは僕が日本人だからかもしれない。
そう思ったのは、かつてサッカーの日本代表監督を務めたフィリップ・トルシエが「明らかに安全だとわかっていても誰も赤信号を渡ろうとしない」のを「ルールに従うだけで自分で判断して行動しようとしない」という日本人の国民性の現れと言っていたからだ。でもそうなのだろうか。あまりにも紋切型で鵜呑みにできない。安全が確認できても赤信号を渡らないのは自分で判断しない国民性というより、せっかちなのかどうかによるのではないだろうか。
青信号になるのを待てないくらいせっかちならば、赤信号を無視して横断するだろうし、余裕があるのなら待っている。そんな単純な話な気がする。昔訪れたイランでは都市部を走る自動車の数に比べて信号が少なく、人びとは自動車の流れの隙間を縫って道路を横断していた。でもイランの人がそれほど自主独立した人びとの集まりとは思えない。単に待っていてたらいつまでも横断できないからであるだけだと思う。
2023年1月 町角 東京 | |
歩行者 横断歩道 影 芝 |
No
12423
撮影年月
2022年10月
投稿日
2023年01月05日
更新日
2023年08月10日
撮影場所
芝 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF