傘を差したお母さんがベビーカーを押しながら広い横断歩道を渡っていた

JR田町駅の前を走る第一京浜には大きな横断歩道が設けられている。いったいどれだけ多くの人が渡るのを想定しているのかと思ってしまうくらい幅の広い横断歩道だ。平日の朝で大勢の人が会社や大学に向かう時間なら、この広い横断歩道も歩行者で埋め尽くされるのかもしれないが、この日は週末。自動車の信号が赤に変わっても、歩行者はどこからも溢れ出てこない。車道には白線が横に伸びているだけだった。

この横断歩道は僕のお気に入りスポットでもある。幅の広い横断歩道を渡ると気持ちがいいからではない。駅前に建つ森永プラザビルのテラスから、この横断歩道の様子がよく見えるからだ。あまり訪れることのない田町だけれど、訪れた際には改札から階段を降りることなくテラスに抜けて、横断歩道を渡る人びとの様子を上から観察してしまう。一度、朝の通勤時間にやって来て横断歩道から溢れんばかりに歩く人を目にしてみたいと思うものの、実行できていないのが残念だ。この日も週末だったので、横断歩道を渡る人は少なかった。渡っていたのは、ベビーカーを押しながら渡るお母さんだけがゼブラ模様の中を歩いていた。

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