台南の鴨母寮市場を訪れると、魚屋の店先に並べられたサバヒーの頭が目に留まった。これらの魚の頭は、無造作に置かれているわけではなく、きちんと整然と並べられていた。頭が上を向いているせいで、まるで穴から顔を出したアナゴのように、テーブルの中から突き出しているように見えた。
しかし、サバヒーの丸くて可愛らしい目は、当然のことながら微動だにしない。どこか愛嬌があるけれど、同時にどこか不気味な、不思議な静けさが漂うその光景はシュールそのものだった。並ぶ頭の無表情な瞳がじっとこちらを見つめているようで、どこか非現実的な感覚を覚えた。
一方で、その向こうでは魚屋の店主が忙しく働いていた。何匹もの魚を次々と処理し、手際よく仕事を進めている。彼にとっては、このシュールな光景も見慣れた日常そのものなのだろう。市場を訪れる外来者にとっての奇妙さも、ここでは当たり前の一場面なのかもしれない。
2017年4月 人びと 台湾 | |
瞳 魚 魚売り 頭 市場 台南 |
No
10100
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年04月08日
更新日
2024年12月23日
撮影場所
台南 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA