大きな都市が建設されるところには、大抵の場合大きな河川が流れている。ロンドンにはテムズ川、パリにはセーヌ川が流れているし、アジアの都市を見てみても北京には海河という川が、バンコクにはチャオプラヤーが、ホーチミンにはサイゴン川が流れている。そう思ってジャカルタの地図を見ても市街地を流れる大きな河川は見当たらない。チリウン川という河川がジャカルタの主たる河川のようなのだが、影はとても薄い。そして、川幅もそれほどない。1000万人ほどの人口を抱えるジャカルタを流れるチリウン川は地味な存在なのだ。
地味なチリウン川ではとてもジャカルタ市民が日頃使う水道の源にはなりえず、ジャカルタ市街から南東へ100kmあまりのところにあるジャティルフル湖という人工湖が水道の水源になっている。もっとも、ジャカルタは古くから中国との朝貢貿易などで栄えた港町だから、代々この場所を支配した人びとも河川があるかどうかはそれほど気に留めていなかったのかもしれない。
チリウン川は海運に利用されることはあっても、とても漁場にはなりえないくらいに細い。写真に写っている市場で並べられていた魚の頭も淡水魚としては大きいから海水魚だろう。港町としての歴史の長いジャカルタにはどこかに魚市場があるに違いない。今回はどこにあるか分からなかった。次にジャカルタを訪れた暁には是非とも魚市場を訪れてみたいと思いながら、僕は市場に転がっている魚の頭を眺めていたのだった。
2020年11月 食べ物 インドネシア | |
魚 頭 ジャカルタ 市場 |
No
11718
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年11月03日
更新日
2023年08月30日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
食物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF