細い路地が入り組んだ地区は、車が入ってこられない静寂の空間だった。路地の中には喧騒もエンジン音もなく、僕が歩いている間も、どこか穏やかな時間が流れていた。この静けさはきっと動物たちにとっても心地よいに違いない。自動車に轢かれる心配もなく、自由気ままに過ごせるのだから。
その路地を歩いていると、案の定、何匹もの猫たちに出会った。路地裏はまるで猫たちの隠れ家のようだった。写真の猫もそんな猫たちの一匹で、路地の真ん中にお座りしていた。僕が角を曲がると、その猫は突然の侵入者である僕の存在に驚いたらしい。体を引き締めたかと思うと、しばらく僕の動きを観察していた。
しかし、逃げ出すことはなかった。代わりに、その猫は首を少し突き出し、鋭い目でじっとこちらを凝視してきた。その姿は、まるで「お前は何者だ?」と問うているかのようだった。こちらを見つめる猫の表情には、野生の警戒心と好奇心が混じり合っていて、僕も思わず足を止めてその視線を受け止めたのだった。
2017年3月 動物 台湾 | |
路地 猫 注視 台南 |
No
10087
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年03月28日
更新日
2025年01月14日
撮影場所
台南 / 台湾
ジャンル
動物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
EF85MM F1.2L II USM