住宅街を歩いていた。周囲には落ち着いた雰囲気が漂っていた。低層の建物が軒を連ね、生活感が感じられる通りだ。派手な装飾や流行のお店はなく、観光地とも無縁のエリア。地元の人びとが穏やかに暮らすこのような場所を歩き回るのはとても楽しい。表通りから少し目を凝らすと、家と家の間には細い路地や通路が隠れるように存在しているのが見える。
この通路がどこに繋がっているのか、あるいは通り抜けができるのか、外から見ただけではわからない。そんな通路に出会うたび、僕はいつも入るべきかどうかを迷ってしまう。この時も例外ではなかった。通路の前で立ち止まり、奥の様子をじっと窺う。通り抜けられるのか、そのまま行き止まりなのか、考えてみても答えは出てこない。
しばらく様子を眺めていると、路地の奥に人影が現れた。男の姿だった。その瞬間、この通路はどこかに繋がっているのだと確信した。でも、その男がどこからやってきたのか、あるいはどこへ向かっているのかは依然として謎のままだ。僕の中でその通路はますます興味を引く存在になり、静かな住宅街での散歩がさらに楽しいものに感じられた。
2017年3月 町角 台湾 | |
路地 バイク 通路 台南 |
No
10058
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年03月03日
更新日
2025年01月23日
撮影場所
台南 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
EF85MM F1.2L II USM